Tuesday, November 5, 2013

夕焼けより朝焼け

今朝の朝焼け


バージニア州の田舎にある高校に通っていた頃です。
スクールバスの来るバス停まで徒歩で15分。
 
夏の終わりの新学期の頃は
朝焼けを見ながらバス停まで。
冬は真っ暗な雪の中バスに乗って。
 
春と秋は丘の上にある家を夜明け前に出て、
どんどん坂道を下ってゆくと、
ちょうどバス停に着くころ
空一面が朝焼け色でした。
 
パステル調の優しい空を見上げる日もあれば
今朝みたいに息を飲むような色彩に
じっと見惚れる朝もあったけど、
 
一番のお気に入りはこの写真みたいな空。
 
バス停の隣は馬牧場だったので、
この写真よりもっと空が広かった。
遠くの方で
黒いシルエットの馬がしっぽを振っているのが見えて
私は今日、今、この情景を見ていることを
いつか忘れてしまうのかな
だったら尚更しっかり見ておこう、なんて
ずーっと未来の自分をあれこれ想像しながら
いつまでも見つめていたのを思い出します。
 
 
なかなか思い通りにいかない毎日にもがいて、
ホームシックになる余裕もないくらいだったけど
きれいな朝焼けを見るたびに日本の家族を思い出して、
お母さんたちきっとすごい!って言うだろうな~
明日こそはカメラを持参してこの空を撮って
日本に送ろうなんて思ってました。

きっと日本でもきれいな朝焼けは見えただろうけど。
行きたいところに行って
やりたいことを今まさにやろうとしている時。
きっととても幸せだったんだと思う。

 
もうかれこれ30年近く前のことになります。

 
結局カメラを忘れず家を出ることは一度もなくて
あの空を写真に残すことはなかったけれど
 
忘れませんでした。
 
色彩だけじゃなくて、
あの頃の風の匂いや
キーンと透き通った空気の味
今もしっかり憶えています。

 
あの時代から
いろんなことがいっぱい変わったような
全然変わってないような。
 
 
 
だから、
月並みだけど
朝焼け色は幸せ色なのです。
ずっと昔の思い出が手に届くような
もう会えない人にも会えるような。
 
 
だから、
夕焼け?朝焼け?って聞かれたら
 

私はいつも朝焼けなのです^^
 
 


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