Monday, February 22, 2016

ラジの眠る場所  Razi's place



日本から戻って、
春に向けての畑の準備の
ラストスパートで忙しくしているさなか、
ちょっと畑から離れて
久しぶりにヤギたちと時間を過ごしました。

まだ冬毛は抜け始めていませんが、
とりあえずブラッシング。

あとは外でまったりしているところについていって
話しかけたり写真を撮ったり

その写真を日曜日にアップしたその日の午後、
ラジとの突然のお別れがやってきました。

息子たちが納屋でおやつをあげていたら、
いつものように他の2頭を押しのけて
夢中で食べていた食いしん坊のラジが
急に食べるのをやめて
何やらむにゃむにゃ文句言いながら
納屋の床にねそべって。

そしたら急に立ち上がって水飲み場まで行ったかと思うと、
急に倒れて叫び出して、
驚いた息子たちは急いで
お昼ご飯を作っていた私を呼びに来ました。

私が行った時にはもう口の中も目も真っ白になって、
叫ぶこともできない状態でしたが
私が上半身を抱き起して呼びかけると2度だけ、
起き上がろうとするそぶりを見せて
最期は私の腕の中で息を引き取るまで
たった5分くらいの出来事でした。

ガスを抜くために横腹に直接穴を開ける注射器も手元になく、
急なことだったので開腹して
お腹の赤ちゃんを助け出す余裕もなく、
ラジも、
あと2週間ほどで生まれてくるはずだった赤ちゃんたちも
みんな死んでしまいました。

胃袋に急にガスが溜まって
その痛みと肺が圧迫された息苦しさで
きっと苦しかったでしょう。



大きな樫の木の下に
息子たち3人が大汗をかきながら穴を掘ってくれて
そこにふかふかにワラを敷き詰めて
ラジを寝かせて埋めました。
ラジが大好きだった場所です。

お墓は作らないので、
埋めたばかりの場所はまだ四角く赤土が
小山になって盛り上がっているだけです。

その場所も何週間かすると草が芽吹き、
春にはたんぽぽがたくさん咲いて、
夏はふさふさと生えた草の上がちょうどいい木陰になって、
秋になるとどんぐりがたくさん落ちるでしょう。
その頃にはもう小山もへこんで、
いつも通りの動物たちの憩いの場所に戻ります。

ラジがいなくなった日は大人しかった他のヤギたちも
今日は普段通りに餌を食べます。
ニワトリたちもいつものように騒がしい。

晴れた日にはまたその木の下で
草を食んだり地面をつついたりすることでしょう。
そのずっと下の土の中で
あのひょうきん者のラジがもう必要なくなったその身体は
生まれることなく死んでいった子供たちの亡骸と一緒に
ただゆっくりと土に返っていきます。

もうちょっと、
この㋂でラジがうちに来て2年になるところでした。
人が大好きなお調子者でなんだかユーモアがあって、
うちにくる人たちの人気者でした。
みんな赤ちゃんを楽しみにしてたのに、
ラジがいなくなったって言ったら悲しいだろうな~

お年寄りだったので、
今回の出産を最後にして
あとはここでゆっくり長生きしてもらうつもりでした。

ラジの赤ちゃん、
育てたかったな~


お別れは悲しいけど、
楽しい思い出はその何倍もあるからね、
いつまでも落ち込んではいられません。

今回のことから学べることをできるだけ覚えて、
今後に活かしていかなきゃな。






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