Monday, January 16, 2017

最後のパーティ  Last party



私たちよりずいぶん年上の知り合いのご夫婦で、
何十年も庭づくりに励んでいらっしゃる方がいます。

庭としてはこちらでも相当な広さの場所に
へメロカリスを中心にたくさんの植物を植えて、
お二人だけで管理をされています。

花が見ごろになると
いろんなガーデンクラブからの見学客で賑わう庭は、
このご夫婦の生きがいでもあり、
コツコツと毎日手をかけてきた成果は
この2人の生きざまそのものなんでしょうね。

どんだけ広いってね、
今調べたら3エーカーって
3700坪くらいらしいですよ。



そのご主人が身体を悪くしてしまって、
治療が始まると体力的にも
もう庭のお手入れはできそうにもないと話していると
この前人づてに知りました。

できたてほやほやだった頃の畑

誰にでもいつかは来る、その日。


もう庭仕事どころか、
草引きひとつできないようになった時、
庭づくりを生き甲斐にしていた人は一体どうするのでしょうか。

そういう状況に自分がなってみないと
本当のところの心境なんてわからないんでしょうけれども、
今日はそんなことをつらつら考えながら庭にいました。

3000坪なんてないんで心配しなくても。。。
って思っても、
やっぱり手入れをしないとすぐ草ボーボーになる庭です。
動物たちだっているしね。

引っ越してきた年の裏庭


そうそう、
動物たちのことは決めているんです。

毎日の世話が面倒だなー
大変でやりたくないなーって

たまには思うこともあるけど、
それを毎日思うようになったら。

その時はまだちゃんと管理ができているうちに
家畜をちゃんと飼える新しいおうちに引き取ってもらおうと。
(日本と違って家畜の貰い手は案外簡単に見つかります)

ヤギやニワトリがもしその時にまだうちにいたら、
慣れない新しい場所でも、
きっと手入れの行き届いた所で
快適に過ごすのが一番だと思うから。

家族総出
フェンスを設置し始めた時


そして、庭。

こぼれ種から芽が出たり、
根っこからどんどん増えたり、
友人ととりかえっこしたり。

もちろんお店で買い足したものもたくさんあって、
うまくいけばこの先、
今よりももっともっといろんな草花が育っている場所です。

心は元気でもだんだん体力がついていかなくなって、
もう庭ができない!ってなったら。
あるいは闘病生活を余儀なくされたら。


その時は、
最後のパーティをしたいなー


来たいって人たちを全員呼んで、
最後の一番でっかいガーデンパーティ。


春か秋の過ごしやすい日に、
お水くらいしか出さないパーティ 笑

お客さんみんなが
汚れてもいい服を着て、
バケツとシャベルを持ってくるパーティ。

わいわい言いながら
庭中の大事に育てた草花をどんどん掘りあげて、
持ってけドロボー!みたいなパーティ。


みんなが無事帰ってパーティが終わったら、
夫と二人で穴だらけになった庭を満足気に見渡して、
大人しく業者の人に頼んできれいにならして、
芝を植えてもらって。

そしたらきっと
まだ芝生だけで何にもなかった、
引っ越して来た日のことを思い出すんだろうなー

まだまだ小さな木 去年植えました

越して来てすぐに植えた木はその頃にはもう大きくなっているから
バケツパーティでは持って行ってもらえないからね、
その木の下に座って、
今までのことを木陰でゆっくり思い返すのもいいかな。

からっぽになった庭を見ても、
そんなに悲しくはならないんじゃないかなー

ここになくなった花たちも、
それぞれもらわれて行った先の庭で大事に育ててもらえるんだし。

しんどかったことや
嫌だったことはきっと全部忘れて、
楽しかったことばっかり
いっぱい思い出せそうな気がする。

まっさらになった庭は、
いっそのこと庭管理の業者さんに頼んで
芝刈りもしてもらうかもねー

真昼間の暑い日は家の窓から外を眺めながら、
しかめっ面で芝を刈っていた
若かった長男の横顔を思い出すかな。


そんなパーティをした後は、
今と変わらずいろんな心配事はあるんだろうけど、
庭のことだけはなーんにも心配せずに
暮らせるような気がします。

最後のパーティって、


なんかよくないですか?



庭計画を相談中 (4年前)




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