Sunday, November 16, 2014

ビルトモアにあるもの Things you see at Biltmore

 
 
我が家へようこそ ♪
 
 
って、そんなわけないかw
 
ビルトモア エステート という、
アメリカで個人で所有されている一番でっかいお家だそうです。
 
今度、来米した母を連れて行きたいと思うので
ここビルトモアのミニ博物館でちょこっと齧ったことなどを
だらだら書いてみたいと思います^^;
 
 
このでっかいフランス風の邸宅? お城?は
1880年代後半の、アメリカの景気が絶好調だったときに
鉄道王で当時のアメリカ史上一番の大富豪だったお家の三男坊が
建てたんだそうです。
 
土台を作り、家を建てる為の足場を作るだけで
2年もかかったそうですよ。
一階と二階の装飾も
どの部屋もいちいち外見と同じくらいすごかったですw
 
敷地内にある歴史館にあった写真では
この緑の広場のところ全体が
このお城を建てる為に集まった人々の寝泊りする家や
100年以上も前ですからね、作業で使われたロバや馬の小屋まであって
村みたいになってました。
 
庭園からもお城が見える
私的にはあんまり豪華な邸宅とか調度品には
それほど興味はないんですが、
100年以上も前に
かかる経費に上限をつけずに建てられたお城は
なかなか精悍で見応え十分でした。
 
お城だけじゃなくってね、
大きな畑、牛牧場、干し草牧場、馬牧場。。。
全部あるんですよ。
昔は敷地内で酪農業も営んでいたそうで
敷地内で生活に必要なものすべてがまかなわれるようにできていたそうです。
 
今でもここでフルタイムで働いている人は1800人。
その中で観光業も結構な人数を占めているでしょうけれども、
今も酪農業から移ったワイナリーは
ぶどう畑からワイン工場まで、
昔からある畑も牧場もすべて機能しています。
 
 
で、このお城。
 
一階はお客さんを歓迎する大広間や食堂や
サロンとかがあって、
二階に個人の寝室やなんかがあるのですが、
私が一番好きなのは地下!
 
一階二階の豪華さはないですが、
野菜の貯蔵庫、肉や卵、ミルクを保管する冷蔵機能のある部屋、
キッチンに洗濯部屋など、
昔の生活の躍動感が感じられるのが好きです。
 
室内温水プールやボーリング場まであります。
なんか、いかにもお金いっぱい持ってる人が考えそうな感じで
面白いわwww
 
女の召使はみんな地下に寝室があるんですが、
丘にあるお城なのでちゃんと窓もあるし、
シンプルだけど居心地良さそうで、
私のデザイン志向は召使風っていうことがわかりましたww
撮影禁止で見せられなくて残念です。

冬でも結構いろいろな植物ががんばってました。
 
召使いが食事をする大きな食堂も、デザート類、肉類、
その他の食べ物をそれぞれ調理する為のキッチン3つも地下にあります。
重厚な木のテーブルが真ん中にあって、
ここでたくさんの人たちが集まってパーティのケーキから
日々の3度の食事まで
くるくると動き回って用意していたのでしょう。
 
お城と同じくらい古い家具やキッチン用具、
オーブンなんかにじーっと見入ってしまいました。


大きなグリーンハウス。 
ヴァンダービルト氏は植物採集も趣味だったそうです。
 鉄道王のお父さんの事業は上のお兄さん二人が受け継いだので
末っ子のジョージ  ヴァンダービルトは
人生の大半を読書に耽って8か国語を流暢に話し、
世界中を旅して珍しいものや美術品を集めては
ここのお城に持って帰りました。
 
鎖国が終わって間もなくの日本にも
天皇陛下のお招きで日本を訪れたこともあったそうです。
鎧兜や鉈や刀、
まだ髪の毛を結っている男の人が釣りをしている写真も展示されていました。



 
敷地内には博物館があって、
お城が仕上がってからほどなくして結婚をし、
生まれた一人娘を夫婦でかわいがる夫妻の写真がたくさんならんでいました。
 
仕事もせずにこんな暮らしができるってすごいねぇと
夫と話していたのですが、
やっぱり博物館も家族所有ですからね、
お客様用の家族アルバムみたいに、
楽しくて幸せだったころの写真がメインになりますよね。
 


ヴァンダービルト氏は51歳の若さで突然亡くなって、
この広大な敷地とお城の管理、使用人のお世話はすべて
奥さんのイーデスさんと一人娘で14歳のコーネリアが二人でまかなうことになったのです。
 
 
一番最初の写真、お城を真正面から撮れる場所から左を向くと庭園があって
その向こうに果てしなく連なる山が見えます。
庭園の向こう側にあるグリーンハウスまで歩くだけでも大変なのに
イーデスさんは、まだ小さなコーネリアを抱えて、
この景色を見ながら途方に暮れることはあったのかな~
 

 
「私からのアドバイスがあるとしたら、
どこまでも続く土地を手に入れたなら、
必要なだけの畑と牧場を作ること。
そして、子供が遊べて家族や来客がゆっくり寛げる安全な場所を確保する。
あとはできることなら、
なるべくそのままの森を残すことだ」
 
って、言われてそうしたっていうのを
ヴァンダービルト氏の博物館でちょこっと目にして
とても印象深かったんだけど、
誰の言葉だったか覚えてない^^;
 
上のお兄さん二人はこぞってニューヨークの一等地に
当時一番と二番目に大きな家を建てたそうです。
 
事業に直接携わらなかったジョージさんは
二人の兄弟とはまったく違った価値観を持っていたのでしょうか。
 
 
 
まぁ、でっかい家が好きなのは一緒かww
 
ひとり娘のコーネリアは、たくさん動物を飼っていて
特にセントバーナードのセドリックとは
いつも一緒に森の中を散策していたそうです。
ここで生まれ育ったコーネリアは
こんな小道を毎日通って散歩してたかな?
こんなにきれいに舗装はされていなかっただろうけど、
どんなだったのかな~
 
従妹やお友達に囲まれて笑っている写真が
たくさんありました。

 
 
24歳で娘のコーネリアが結婚して、
お母さんのイーデスさんも再婚。
 
ほどなくして世界は大恐慌に陥り、
アメリカでも株の大暴落でヴァンダービルト一族も
経済的に窮地に追い込まれました。

 
1930年、コーネリアが30歳になった時、
お城のあるアシュビルという町の経済発展の為、
そして高い維持費のかかるお城の為に財政を立て直せるよう
父親ジョージが建てたビルトモアエステートの一般公開に踏み切りました。
博物館では開園式で招かれたたくさんのお客さんの前で
堂々とスピーチをするコーネリアと旦那さんの写真がありました。
コーネリアはここで「父も喜んでくれると思います」と話したとあります。
 
嵩むばかりの維持費がこれで賄われることになって
ホッとはしたでしょうが、
金銭的な問題がなかったら公開はしなかったのでしょうか。
父から受け継いだこの土地で
ずっと家族と友人だけで過ごしてきた家に
観光客を入れるというのは
結構勇気がいることだったのかな。
 
こんな竹林もいくつかありました。
 これでビルトモアは一躍ノースカロライナ州では一番人気の観光名所になり
アシュビルの経済改善も果たせたのですが、
ここで急にイーデスとコーネリアの情報が少なくなります。

博物館では、今のオーナーの父親、
コーネリアの孫にあたる人が
ニューヨークでの銀行勤務を辞めて
本格的なビルトモアの運営を手掛けることになった頃のことがメインで
話が進んでいました。
 
 
あとでちょっと調べたら、
コーネリアは2人の息子を産んでほどなくして離婚。
お城の一般公開から6年後にはヨーロッパに移り、
以後、幼少時を幸せに過ごしたここ、ビルトモアには
一度も戻ることはありませんでした。
 
イギリスに移り住んでからも
年の離れた再婚相手に先立たれ、
その後友人と訪れたレストランでウエイターをしていた若者と
70歳頃2度目の再婚。
 
4年後に亡くなった時
ビルトモアは彼女の2人の息子が譲り受けました。

この丘の向こうは牛牧場
 
晩年の彼女と、彼女のお母さんのイーデスのことは
現在のエステートのオーナー
(*ビルトモアの所有は弟の経営するビルトモアカンパニーとなっています)、
コーネリアのひ孫にあたる二人の手記にも
何も残されていません。

これから先は立ち入り禁止
 現在のオーナーは、姉弟で、
それぞれ家庭を持っていますが、この広大な敷地内のどこかに住み、
ビルトモアのこれからと家族の残した財産運営にフルタイムで貢献しているそうです。
 
家族全員で笑って団らん中の肖像画が博物館の中央にあって、
その中ではまだこの二人は小さな子供でした。
家の中でかくれんぼしたり(絶対見つかりそうにないww)、
庭園で鬼ごっこをした思い出があるそうで
このビルトモアを「私たちの特別な場所」と言っています。
 
今はイベント以外にプライベートでお屋敷を訪れることはあるのでしょうか?
観光客がこれほど毎日いると、
そういうわけにもいかないかな?
 
パンフレットに載っている写真は
別々に写ったこの二人の写真だけでした。
 
まぁ、今のご時世、
この土地に住んでいる以上あんまり家族の顔が世間に知れても
いろいろとあるのでしょう。
 
ほぼ同じ景色なこっちは馬牧場   笑
 年中無休と言っても、
オフシーズン時期はこうやって
誰もいない場所はたくさんあります。

乗馬を終えて馬を牧場に戻して、
この丘でこの景色を見ながらお弁当を食べることなんてあるんでしょうかね。
私だったら絶対するけどな! 笑
 
結婚21年目の時にこの場所を初めて夫と訪れて、
今回やっとまた戻ってこれました。
 
妄想好きな私にはとっても楽しい場所で
私が気に入りそうだと思ってこの旅行を計画しただけで
それほど期待してなかったという夫も
少し離れれば観光名所っぽくないこの場所が気に入りました。
 
引っ越した今はずっと近くなったので
また近いうちに遊びに来たいです。
 
お金で買えるモノと、買えないモノ。
 
 
100年以上もずっと、
森の真ん中でひっそりと守られてきた何かを
ここで感じられる気がします。
 
 
 


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